共通点 〜職人の心意気 日英同じ〜

仙台たんすはケヤキとキリを素材にする。手打ち金具の彫金の技。複雑なホゾ組みの精ちな技。深い光沢の漆の塗り。いずれをとっても職人の技術と感性の極みというべきもので、家具というより美術品としても逸品である。西洋の骨とう家具は主にマホガニー、オーク、ウオルナットを主材とし、金具は真ちゅう無垢が多い。これまた、職人の並みではない心意気と自負が伝わってくる。

英国の家具職人は、木材の年輪の三倍は使用に耐える作品を目指すという。百年の年輪のオークを使ったテーブルなら三百年使用できることになるのだが、そのための細やかな気配りがスゴイ。

例えば、塗料は木地が呼吸できるものを使う。接着剤は解体修理の際に木地を痛めなくてすむニカワ(獣骨から採った接着剤)。木ネジはマイナスネジ。プラスネジでは木地に余計な負荷を与えるという理由からだ。竹や木クギを使い、さらにできるだけクギの使用を避けるために複雑なホゾを組む、などなど。

miryoku_04最初から修理(百年、二百年後の職人に任せるわけだが)を念頭に置いて物を作るという発想は、職人の作品に対する愛着と同時に、自分の技に対する自信と誇りがあるからこそ生まれてくるものなのだろう。

この妥協のない職人気質と、長い年月から生まれてきたのが英国のアンティーク家具ということになるが、良い物はどこに置いても良い物。仙台たんすがピアノの傍らで場所を得ているのと同様、百年前の英国のテーブルが日本の家屋に違和感なく収まってしまうのも不思議である。

英国家具が日本家屋になじみやすい理由の一つに寸法が挙げられる。フィートと尺はほぼ同じ。和風古家具と英国古家具は長さの基準でほぼ一致しているのだ。

Mr k (Ksアンティーク 川口宗彦)